私とは何か 「個人」から「分人」へ  感動企業通信1188号

人は多面体であり
どんな人と一緒にいるかによって
その人のどんな面が
引き出されるかが決まるものだと
以前から考えていました。

例えば
Aさんという人は

「すごく親切で優しい人だよ」

と言う人もいれば

「あの人は嫌な人だよ」

という人もいれば

「あの人はしっかりしているよ」

という人もいます。

Aさんという人は
きっとどの性格も持ち合わせている人で
それぞれその人の前では
そのような性格で振舞っている
ということは充分にあり得ます。

だからこそ人によって
その人に対する印象が異なります。

私も
中学校の友人との私
高校の友人との私
大学の友人との私
前職の職場内での私
今の職場内での私
妻と一緒にいる時の私
Aというお客さんに対する私
Bというお客さんに対する私

というように
相手によって
私のどのような面が
引き出されるのかが変わる
そういうものだと考えています。

芥川賞作家の
平野啓一郎氏の著書

私とは何か 「個人」から「分人」へ
(講談社現代新書)

を読んでその考えがまた深まりました。

「個人」というのは
それ以上分けられないものであり
ひとつのものであるという
意味合いがありますが

これに対して「分人」というのは
1人の人間であっても
どんな相手と接するかによって
引き出される面が変わるという考え方です。

私という一人に人間であっても
「分人」という様々な私を
持っているという事です。

なんでこの人の前では
こんなに楽しい自分でいられるんだろう

なんでこの人の前では
ぎこちない自分になってしまうんだろう

それは相手がどんな人かによって
その人とのコミュニケーションが
うまくいくように相手にあわせて
自分の「分人」をつくって
いっているからです。

こんな私でいたいという
自分がなっていて気持ちが良い
「分人」というものがあるはずです。

そう考えると
人生を幸せに生きるというのは
自分がなっていて気持ちが良い
「分人」でいる時間を長くすることが
人生の幸せにつながります。

また、インサイドアウト
全ての因は我に在り
と考えれば

相手にとって一緒にいて気持ちが良い人というのは
相手が気持ちが良いと感じる「分人」を
私が引き出しているか?
ということになります。

相手が引き出されて気持ちが良い「分人」を
引き出すことが私に出来る事、と考えて
良き人間関係をつくりたいものです。

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